ドイツの哲学者として有名。古典文献学者でもあり、後世に影響を与えた思想家でもあります。代表作は「ツァラトゥストラはかく語りき」。ライプツィヒ近郊の村・レッケンで牧師を父に生まれ、1858年プフォルタ学院に特待生として入学し、古代ギリシアやローマの古典や哲学、文学などを全寮制・個別指導で鍛え上げられ、模範的な成績を残しました。同校卒業後はボン大学へ進んで古代文献学に取り組み、懸賞論文で1等に入選。この声価により24歳でバーゼル大学の助教授として招かれ、翌年には正教授となりました。ニーチェは人間の心底に潜む虚栄心やエゴイズム、芸術、科学、政治、宗教などの多岐にわたる領域での既成概念や価値観の背景を問い、それらの起源が理性的でも道徳的でもないことを暴露しようとしました。1873年以降は病で教授の職を辞し、放浪しながら孤独な生活を送るようになり、そのなかで「ツァラトゥストラはかく語りき」を書きました。1889年に発狂し、そのまま1900年に46年の生涯を閉じました。