日本の明治期の洋画家。『海の幸』を始め、近代日本美術史の上でもっとも著名な洋画家の一人。16歳の時に単身上京、画塾・不同舎の小山正太郎、東京芸術大学・西洋画科選科の黒田清輝から指導を受けますが、むしろ古今東西の書物や文物に惹かれ想像力を駆り立てられました。天才と称され、若くして日本美術史上に残る有名作を次々と描き上げた後、放浪生活に入り、満28歳の若さで没したため、その生涯は半ば伝説化され、残された作品数も多くなく、未完の作品が多いようです。しかし神話や古代の世界にインスピレーションを得た浪漫的色彩の濃い画風は、西洋美術の物まねではない独自のものとして高く評価されています。