日本の作家。1907年(明治40年)現在の北海道旭川市に生まれ。父は軍医で任地変更で各地を転々としたため、幼少期は父の故郷の伊豆湯ヶ島で過ごした。
1927年旧制第四高等学校理科甲類に入学。医師を目指したが柔道に打ち込んで勉学から遠ざかり、文学の道へ傾いていった。1930年九州帝国大学法学部英文科に入学。2年後に中退して京都帝国大学文学部哲学科に移りし、美学を学んだ。
在学中にサンデー毎日の懸賞小説に入選。筆名を変えて何度も入選した。さらに戯曲「明治の月」が上演され、また長編時代小説『流転』で千葉亀雄賞を受賞した。
卒業後毎日新聞大阪本社に入社。勤務の傍ら創作を続け、1950年『闘牛』で第22回芥川賞受賞。翌年退職して作家活動に専念する。
その後も歴史や西域などをテーマに物語性豊かな作品を多く描き続けた。
代表作は『氷壁』『天平の甍』『敦煌』『楼蘭』『蒼き狼』『しろばんば』『風濤』『おろしや国酔夢譚』など。
1976年文化勲章受賞。
井上靖 |