スペインの作家・詩人。近代小説の祖と称される。 下級貴族(イダルゴ)で外科医の次男として生まれる。家が貧しかったため、セルバンテスは正規の教育は受けていない。 1571年、24歳の時にレパント海戦に参加して活躍したが負傷して左手の自由を失った。このため「レパントの片手男」の異名をとりながらその後も4年間軍務を務めた。帰国途上、イスラム教徒の海賊船に襲われ、1575年?1580年アルジェで捕虜生活を送った。帰国後は文筆活動に励んだが、困窮の生活を送り、無敵艦隊(アルマダ)の食糧徴発員やアンダルシアで徴税吏となった。だが税金を預けておいた銀行が破産、負債を負う身となって1597年に投獄される。1605年獄中で執筆したといわれる『ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ』前編を刊行。大成功を収めた。晩年の10年で代表作を次々に書いたが生活は決して裕福なものではなかったという。 代表作は他に『模範小説集』『ドン・キホーテ 後編』、遺作『ペルシーレスとシヒスムンダの苦難』など。