フランドルの画家。1577年ドイツのジーゲンに生まれる。父はアントワープの法律家だったが、亡命中のためドイツにいた。10歳のとき父が死去し、翌年アントワープに戻る。やがて工房に入って画家としての修業をはじめた。1600年イタリアに渡り、マントヴァ公の宮廷画家となる。8年間のイタリア滞在で古代美術やヴェネツィア派の巨匠たちに影響を受けた。母の死によって故郷に戻り、工房を開いた。1609年にオランダとスペインの間に休戦協定が結ばれると、絵の需要が急増し、ルーベンスの工房にも注文が殺到した。また同年にネーデルラント総督アルブレヒトの宮廷画家ともなった。 多くの弟子を育て、ファン・ダイクらを輩出した。 代表作は『東方三博士の礼拝』『十字架たて』『平和と戦争との寓意』『墓所のキリスト』『マリー・ド・メディシスの生涯』など。